あの空の向こうに








愛している。



私が言うと、君はいつも微笑みで返してくれる。
その顔をまた見たくて、私は何度も愛してると繰り返す。


その内怒り出す君の、その表情すら愛しくて。


私はそんな君に、黙って微笑み返す。




なぁ。

私の見えないところで、君はまた傷ついてはいないか?


その目を悲しみに曇らせてはいないか?




霧のような雨が降り。
風が季節を連れて行き、また連れてくる度に。




私は、君を想うのだ。





あの空の向こうに生きる君が、せめて笑っていますようにと。

ただ、祈るのだ。